玄米の力

「毒を出してきれいになる」

 入ってきた毒を積極的に外に出すその強力なツールが「玄米」なのです。
玄米に含まれる「フィチン酸」(IP6)は、細胞の成育に欠かせない物質と
して知られていることは前回に述べたとおりです。

 それに加えて、フィチン酸(IP6)は汚染物質の水銀やカドミウムなどと
化学結合して水に不溶性の塩となって排泄します。農薬のPCBその他の毒物
も排除します。

 先の福島原発事故による放射性物質の拡散で、日本中がその恐怖に陥りまし
たが、玄米にはその放射性物質をも体外に解毒する力があることは長崎原爆時
より知られており、チェルノブイリ原発事故では大量にヨーロッパに玄米が輸
出されていました。

 つまり食品添加物放射能、農薬、公害汚染物質などの毒を絡みこんで体外
に排泄する作用があるのです。いわば体内の有害物質掃除人といえるでしょう。

 このフィチン酸(IP6)と玄米に豊富に含まれる食物繊維の相乗効果で強
力な解毒作用が生まれてくるのです。

 また、 玄米に含まれる食物繊維の豊富さは昔から有名ですが、その中でも
不溶性食物繊維というものが大きな役割を持っています。水分を吸収して膨ら
んだ玄米の不溶性食物繊維は、消化に時間がかかるために脳内の満腹中枢を刺
激し少量で満足を得られるという面があります。そのためにご飯の量を減らさ
なくてもダイエット効果が生じます。

 また更に不溶性食物繊維は腸を刺激し排便を促すことから便秘解消の効果も
あり、まさに美容の味方。そのためビタミン・ミネラルをはじめとする各種栄
養素の吸収効率が高まり健康への好循環が生じます。

 食物繊維の素晴らしさはこれだけではなく、体内のゴミ掃除をしてくれる点。
体内の食品添加物やガン化の原因になるさまざまな有害物質を吸着し絡め取っ
て体外に排出します。

 食物繊維とフィチン酸の相乗効果が玄米の持つ解毒・排泄作用と呼ばれるも
のです。この作用が非常に高いために玄米は多くのガンの予防に効果的です。

 玄米を食べていた人が砒素ミルク中毒や水俣病、戦前には赤痢コレラなど
の発症から免れたり症状が軽くて済んだという報告はかなり多数残っています。
これも玄米の持つ解毒・排泄作用のなせる業です。

 玄米にはぬかが含まれているために、農薬を使って栽培された玄米は残留農
薬が白米よりも多く健康を損なう結果になるという論がありました。

 しかし実際には同じ米から玄米と白米にして残留農薬を測り(当然玄米の方
が多い)、それを食べて排出された農薬の量を量り差し引きして体内残留農薬
量を比べると、玄米のそれの方が少ないという論文が出ています。

 これは玄米のもつ解毒・排出作用の大きさを示す顕著な一例と言えるでしょ
う。(勿論のことですが無農薬玄米の方が更に素晴らしいことは言うまでもあ
りません)

 最近話題のダイオキシンは、発がん性や肝臓障害などを引き起こし、体内に
入ると脂肪組織に蓄積し、排泄されにくいものです。しかし、食物繊維と葉緑
素を多く含む緑黄色野菜がダイオキシンを体外に排出する効果の高いことを、
福岡県保健環境研究所の森田邦正氏らの研究グループがラットの実験で明らか
にしました。

 特に、玄米(米ぬか)による排泄量が最も高かったことが明らかになりまし
た。 ここで玄米に含まれる、脂質代謝を高めて肥満を改善するイノシトー
ルについて詳しく説明しましょう。

 一九九八年に京都で米ぬかに含まれる成分についての国際会議が行われまし
た。そこで大きな話題となったのが、穀物の種のぬかや胚芽、外皮に含まれる
イノシトールとIP6という成分です。

 イノシトールはビタミンB複合体の仲間で、人間の体内では脳、神経系など
に広く存在し、生命維持のための重要な役割をしています。またイノシトール
は体内で脂肪やコレステロールを体がエネルギーとして使えるようにコント
ロールするという働きを持っています。

 ある実験では、二組のラットに高濃度の砂糖をまぜたエサを与え、一組には
エサだけを、もう一組にはエサとイノシトールを与えて、コレステロールや脂
肪の数値を調べました。

 すると、イノシトールを与えたラットだけに、肝臓の重量、コレステロール
中性脂肪が減少するという結果がみられたのです。イノシトールには肝臓の脂
肪をとり除き、コレステロールや血中の脂肪の流れをよくする効果があること
がわかりました。

 また、イノシトールには脂質の代謝を高める働きもあります。つまり、脂肪
を減らすだけではなく、やせやすい健康な体をつくることに役立つ成分といえ
るでしょう。

 そのほかにもイノシトールには血圧を下げる、精神を安定させるなどの効果
があることがわかっています。

  イノシトールは、体内でわずかな化学構造上の変化を起こして、IP1〜
IP6という六つの家族を生みます。

 イノシトールとIP1〜IP6は単体でも生命維持に欠かせない働きをしま
す。また、いずれかが共同で働き、健康維持のためにたいへんよい効果をもた
らすこともあります。なかでもとくに注目されているのが高い抗ガン作用を持
つIP6(アイピーシックス)です。

 IP6とは「イノシトール6リン酸」の略称で、フィチン酸とも呼ばれます。
 かつてこのフィチン酸は、体内のカルシウムや鉄と結合し、その働きを阻害
すると考えられていました。どちらかというととりすぎてはいけないものだと
思われていたのです。

 ところが、最近の研究によってこのIP6が、ガン予防、心臓疾患、動脈硬
化症、高脂血症、糖尿病、精神病など、いろいろな病気の改善・予防効果を持
つことが判明したのです。

 IP6の働きが発見されたきっかけは、米国メリーランド大学医学部の医学
博士・シャムスディン教授がフィンランドデンマークのガン発生率の差に着
目したことにあります。

 従来の大腸ガン予防研究では、食物繊維にばかり重点が置かれ「食物繊維を
多くとればとるほどガンの発生率が低下する」と考えられていました。

 ところが、デンマークフィンランドの人々の食物繊維摂取量を調査すると、
双方とも同じくらいの食物繊維をとっているにもかかわらず、デンマークのほ
うが大腸ガンの発生率が二倍も高いということが判明したのです。

 そこで、さらにそれぞれの食生活の違いをこまかく調べたところ、フィンラ
ンド人のほうがぬかや胚芽のついた穀物をたくさんとっていることがわかりま
した。つまり、IP6の多い穀物を中心に食事をしている人々のほうが、大腸
ガンの発生率が少なかったのです。

 その後、シャムスディン教授はこのIP6が大腸ガンだけでなく、肺ガン、
乳ガンなどの多くのガンを抑制する効果があることを、ラットを使った実験に
よって確認しています。

 またIP6は、病気や老化のもととなる活性酸素の害を2/5以下に抑える
こともわかりました。これがIP6はガンだけでなく、生活習慣病の予防や改
善にも有効に働くゆえんなのです。

 長い間放置されていた植物の種が、条件が整ったとたんに発芽することがあり
ますね。これは、IP6が種子を有害な物質や刺激から守り、発芽する力を維持で
きるよう、生命を守るという働きを持っているからなのです。

  イノシトールとIP6には、コレステロールや脂肪など、体内の汚れを除
去する効果もあります。

 コレステロールがふえすぎる理由のひとつとして、体内の銅と亜鉛のバラン
スの崩れがあります。IP6は、この亜鉛と銅の比を正常化させ、コレステ
ロールを正常な状態に整える働きをします。

 実際に高コレステロール食で飼育された実験動物にIP6を与える実験でも、
IP6を与えない場合にくらべて、コレステロール値が十九%、中性脂肪値が
六十五%低下するという結果が出ています。

 またIP6には、血管の栓の原因となる、血管壁の「石灰化プラーク」をと
かし、血液をサラサラにする作用もあります。

 現在、私たちはいくら注意しても毎日七〇〜八〇種類もの食品添加物を体内
に入れざるを得ないのが実情です。何とか健康を保つためにも、解毒排泄力の
強い玄米を主食にすることが大変に有効であることがお分かりいただけたので
はないでしょうか。

以上、玄米のマイセンからのメールが良かったので、そのまま載せました。
良い物ばかりを口にするのは、難しいです。無農薬の物は金額的に高すぎ続き
ません。外食は何を食べさせられているのか、甚だ疑問です。不安を持って
食べても美味しくありません。だったら美味しく食べて出しちゃえばいいんです。
玄米をよく噛み、唾液も沢山出して、毒出しもしちゃうってこれぞ一石二鳥!